I don't want no retrospective.

長続きしない

ホテルの宿泊費が何でこんなに高いのか説明します

予約

主要な旅行会社でも海外エージェントでも、何かを間に通せば必ず手数料は発生します。ホテルが常にどこよりも安く料金を提示できればまったく問題ないのでしょうが、売れないくらいなら安くしてでも売るのがエージェント様です。圧倒的な集客能力を持つJTB様なりagoda様にはとても足を向けては寝られないのですが、間に一枚挟まるだけで手数料は8-15%程度発生します。その手数料を考えればホテル単独でポイント還元したり会員特別価格を提示したりするのが得なのです。

私も個人の旅行ではできる限り安くつくようにいろいろな旅行会社やホテル公式ページを確認しますが、公式サイトと旅行会社で数千円も違えばそれは旅行会社を選択せざるをえません。しかしそれが回りまわってコスト増につながるのだと思います。

また、泊まるか泊まらないかもはっきりしない中で、適当に押さえとして部屋を予約するのは非常にコストがかかっています。予約がホテルに通知されれば、担当者が内容を確認しその日のお客さまとして様々な対応を施しますので、それが容易にキャンセルされればそこに発生する利益はゼロ、コストのみが積み上がっていきます。

 

チェックイン

すべての宿泊施設には決められたチェックイン時間があり、実際には部屋の用意やスタッフの準備が出来ていても、決まった内容を乱すとそこには手間もコストも発生します。元々割り当てていた部屋を急遽変えなければいけない、清掃さんにその部屋が準備できているかを確認しなければならない、チェックイン時間前なのに何でこの客には対応しているんだというクレームその他にも対応しなければならない。。自分が良ければいいというひとりの行動で全部の流れが変わります。チェックインの時間も守れないお客さまはひいてはその後の不利益にも繋がります(スタッフの印象が悪くなったり履歴引き継ぎ対象になるため)。

予約する際に「チェックイン予定時間」を入力させられる場合がありますが、それは何時で入れてもあまり影響はないかと思います。

チェックインの際に禁煙喫煙の希望を急に言いだしたり、エキストラベッドが欲しいとかいらないとか言いだしたり、添い寝の年齢規定を外れるお子様が急に現れたり、そういう諸々がカウンターのスタッフを困らせ、事務所に控える上席スタッフを困らせ、急に部屋を変えることで清掃スタッフや荷物移動をするスタッフを困らせるなど、事前に知らされていない情報をホテル到着時に言うのは明らかにコストを増やします。スタッフの手を掛け、チェックインを待つ列を長くさせ、誰も幸せにならない状況を作ります。チェックイン当日には、事前に部屋割りを計算してだいたいの絵は描かれていますので、それを大いに乱すゲストは誰にも優遇されません。

客室に入室後(ステイ中)

宿泊代もそれなりに支払っているわけですし、気兼ねすることなく自由にお使いいただくのはもちろん当然のことです。せっかくの旅行なのですし、後片付けも気にすることなく部屋の設備をお使いいただくことはお客さまの自由であり権利です。

しかしながら、部屋にあるものはすべて何がしかのお金がかかっています。歯ブラシなどのアメニティを、使っていないものもせっかくだからと全部家に持って帰る。袋入りのスリッパを持って帰る。ホテルなのだからとタオルをふんだんに使ってみる。洗面の水を流しっぱなしにする、トイレのウォシュレットを意味なく長く使ってみる。。すべて掛かるコストはこれからの宿泊費に加算され誰かの負担になっていきます。

また、お金を払っているのだからといって無尽蔵に部屋を汚すのは賛同できません。清掃スタッフはホテルの中でも特に人数を掛けコストが掛かる部門ですが、あなたが部屋を汚せば汚すほど、元あった状態から遠い状態でチェックアウトすればするほどその部屋に掛かる時間も手間もスタッフも増えてコストが増えます。発生したゴミを一箇所にまとめて部屋を後にするだけでもすごい助かるのです。出先の買い物だからと、箱から何から信じられないほどのゴミを発生させて帰られるゲストが最近増えているように思いますが、会議の議題になってしまうほどホテルのゴミ処理費用は問題になっており、間違いなく将来の宿泊費値上がりに結びついています。

滞在中に内線を掛ける・フロントスタッフを使う

部屋にいながらにしてスタッフを動かすことはお客さまの優越事項でありホテルサービスの目玉のひとつ、ホテル側としてもお客様満足に結び付けられるサービスの肝です。しかしながら、度を越して何度も内線をかける、スタッフが少なくチェックインで混み合っている時間に何度も何度も絶え間なく内線を鳴らし続けるなど、スタッフを疲弊させ仕事を低下させる事例も日々起こりえます。

スタッフは働いている限り常にコストが発生していますから、ゲストがスタッフを使えば使うほどコストはかさむばかりです。有限なようでいて有限でない、対お客さまの仕事はよっぽどでない限り際限なくコストも手間も発生していくのです。

ホテル利用後に

チェックアウトされた後はだいたいそれでゲストとの関係は終わります。良い印象を残されたゲストにはポジティブな印象が履歴として残り、引き継がれ、大事なお客さまとして次の宿泊の際にもそのデータは利用されます。しかしながら、チェックイン時・支払い・客室・館内利用・チャックアウト時など、ホテル内外で何らかの問題を起こしたり、客観的に見て自分よがりすぎる振る舞いを起こされたゲストは毎日の引き継ぎ対象となり、データとして残され未来に共有され、次に泊まられる機会があれば到着日の引き継ぎ名簿に載ることは必至です。いわば「目を付けられている」対象ですので、何かない限りそのゲストへの対応は良いものとはなり得ません。クレームを受けないように当たり障りなく、かつ必要以上に丁重に扱うのみで、そこにはホテルマンとしてのサービススピリットは発揮されにくいのです。

また、最近はあらゆる旅行会社やサイトにて口コミが共有・利用されていますが、ある一定以上のホテルではそれを精査する・各自に返信する仕組みがあります。これを行えるのは一般的なフロントスタッフではなく、ホスピタリティのレベルや役職が一定以上、客観的な文章能力や対応能力を持っているスタッフのみですので、ヒラよりも高い給料が発生するスタッフがその業務に結構な時間を掛けて従事します。お客さまの声はもちろん大事ですし、かつての牛角のようにお金を払ってでも欲しいものですが、行き過ぎた先にはコストの問題が出てきます。

 

最後に

ホテルに泊まるのなんてよほどのビジネスマン以外は年に何度かのことです。日頃の生活をセーブして慎ましさの先にたまの贅沢があるのですから現地で思い切り楽しむ・普段と違う行いをするのは当然のことです。あくまでそれが客観的に度を越えていないか、誰かに迷惑を及ぼすほど影響しないかなど、想像力を持って許容されるべき範囲で楽しんでいただくに尽きると思います。

皆が少しづつ思いやりのないリクエストやクレームを繰り返してきたことで、過去にないほど今現在のホテル宿泊費は高いように思います。これから働く人材の減少や備品の高騰など、コストを上げる要因は山ほどある中で、コストを下げる要因はホテルに泊まるお客さまに掛かっています。